仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator=MVNO)は、携帯電話やPHSなどの物理的な移動体回線網を自社では持たないで、実際に保有する他の事業者から借りて(再販を受けて)、自社ブランドで通信サービスを行う事業者のこと。(かつてのアステルやツーカーは自社の回線が及ばない地域等はNTT等の他社の回線を利用していたが、この場合は含まない。)
対義語として、自社網をMVNO事業者に提供する側を、MNOと呼ぶ。
概略[]
OEM製品の、移動体通信サービス版とも言える。有線、無線のいずれも、ネットワーク・サービスの提供には、自ら通信回線設備を構築する方法と、他社の持つ通信回線設備を借り受ける方法の2つの方法がある。有線でブロードバンド普及のきっかけとなったADSL事業は、NTT東西両社が持つ電話回線設備を借り受けて、ADSLという高速データ通信サービスを提供するものである。これと同様のビジネスモデルを無線で行うのが、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)である。海外でのMVNOは、英国のヴァージン・モバイルが有名だが、ヴァージン社は携帯の音声通話サービスを提供しており、音声通話では付加価値がつけられないため、課金・請求で差別化しているものが大半である。その中で日本のMVNO第一号である日本が進めているデータ通信MVNOは、技術面を中心に差別化が可能であり、付加価値率が高く、高い収益性を確保することが可能な新しいビジネスモデルとして注目されている。
サービス卸元の事業者としては、卸先の事業者の販売・営業体制を活用することができ、卸先の事業者にとっても、物理的な移動体回線網設備の負担なくサービスを提供する事ができる。 また、両者間の契約形態(帯域貸し等その他)から、同程度のサービスを、卸元よりも卸先が安価に提供する事も多い。
経緯[]
日本でのMVNO第一号は日本b-mobile(ビーモバイル)。その後、他の企業も参入している。下記参照。
データ通信系[]
ウィルコムのPHS回線のMVNOが多い(特記無い限り同社のMVNO)。2008年からは、イー・モバイルの回線を利用したISPによるMVNOを開始したところがある。
- 日本
- b-mobile (ビーモバイル)
- 2001年10月にDDIポケット(現ウィルコム)のPHS網を借りて、年額制データ通信サービスを開始。日本でのMVNO第一号。
- Secure PBビジネス定額 - SoftBank 3G
- b-mobile (ビーモバイル)
- 富士通 (mobile+)
- NTT(Arcstar IP-VPN モバイルアクセス)
- So-net
- bitwarp / bitwarp PDA
- 京セラコミュニケーションシステム (KCCS)
- KWINS - ウィルコムのPHS回線
- KWINS 3G - Au (携帯電話)のCDMA 1X WIN
音声通話系[]
- ジュピターテレコムが、ウィルコムの回線(主に音声通話サービス)を利用して、PHSと直収電話との統合サービス(Fixed Mobile Convergence)を、2006年に開始。同社ブランドPHS(J:COM MOBILE)から直収電話(J:COM PHONE)への通話料にオプション割引制度あり。
- KDDIが、スプリント・ネクステルの回線を利用して、KDDIブランドで米国の携帯電話事業を2007年に開始。3月中旬からプリペイド式携帯電話、4月中旬からポストペイド式携帯電話の料金体系で開始し、日本語の入力や表示ができるKDDI端末が7月16日に投入された。
- NTTが、ウィルコム回線(.Phoneユビキタス)を使い、NTTコミュニケーションズや無料通話先プロバイダの050日本を通話相手とした音声通話定額制を法人向けに開始。
- ウォルト・ディズニー・ジャパンが、ソフトバンクモバイルの回線を利用して、ディズニー・モバイルブランドで日本の携帯電話事業を2008年3月1日より開始した。利用希望者は、ソフトバンクショップ、家電量販店、ディズニーオンラインショップなどでディズニーと契約し、端末を購入する。
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